赤ちゃんから知っておきたいB型肝炎のコト
B型肝炎というと「大人の病気」というイメージがあるかもしれませんが、実は赤ちゃんの内に適切な予防をしておくことで、感染のリスクを大幅に下げることができるのです。B型肝炎とはどんな病気なのか、予防するにはどんな方法があるのかを詳しく見ていきましょう。
B型肝炎ってどんな病気?
・原因
B型肝炎は、B型肝炎ウィルスに感染することで引き起こされる肝臓の病気です。一過性の感染に終わるもの(一過性感染)と、生涯に渡り感染が継続するもの(持続感染)の2パターンに大別され、出産時や乳幼児期に感染すると持続感染になりやすいとされています。
B型肝炎には「急性肝炎」と「慢性肝炎」が存在し、慢性肝炎の状態が続くと肝硬変から肝がんに進行することもある恐ろしい病気です。
・感染経路
B型肝炎ウィルスは、血液や体液を介して感染します。
感染経路は「垂直感染」と「水平感染」の2パターンに分けられます。
垂直感染とは「出生時の母子感染」「妊娠中の子宮内、産道感染」を指し、水平感染とは「性行為」「刺青」「ピアスの穴あけ」「静注用麻薬の乱用」などを指します。
B型肝炎の予防接種って?
これまで日本では、赤ちゃんに対するB型肝炎の予防接種は任意で行われていました。
しかし、2016年10月からは定期接種になり、より多くの赤ちゃんが予防接種を気軽に受けられるようになりました。
WHO(世界保健機関)は、すでに1992年には、B型肝炎の予防接種を国の定期接種にするよう指示しており、今回の制度改正で、日本にもようやく世界の常識が取り入れられることになったのです。
これにより、感染源の撲滅や肝硬変、肝がんでの死亡率低下が期待されています。
・費用はどれくらいかかるの?
定期接種化に伴い、平成28年4月1日以降に生まれた赤ちゃんは、公費(無料)で予防接種を受けることができます。
一方、上記の条件に外れる赤ちゃんの場合は、約6000円程度の費用がかかります。詳しくは、かかりつけの病院にお問い合わせください。
・間隔を空ける必要はあるの?
B型肝炎の予防接種は3回に分けて行われます。
1回目と2回目の間隔は4週間、1回目と3回目の間隔は20週~24週間開ける必要があるとされています。
予防接種を受ける際に、医師もしくは看護師から説明がありますので、そちらを参考にスケジュールを組むと良いでしょう。
・どんな効果があるの?
予防接種を受けることで、B型肝炎ウィルスへの感染をほぼ100%予防できます。
通常は3回の接種で十分な免疫がつきますが、体質によっては、稀に免疫がつきにくいケースもあります。
抗体検査で免疫が不十分であると分かった場合は、更に1クール(3回)の追加接種を受けることが望ましいとされています。
・副作用はあるの?
数%の人に、接種部位の発赤や軽度の発熱が見られる場合がありますが、副作用の心配はほとんどありません。
・予防接種の必要性は?
前述のとおり、乳幼児期にB型肝炎ウィルスに感染すると、感染が持続する「持続感染」の状態になりやすいと考えられています。B型肝炎の状態が長期に渡って続くと、慢性肝炎や肝硬変、肝がんなどの発症リスクが上がります。
特に肝がんは世界で5番目に多いがんとされ、全世界の肝がんの80%はB型肝炎から発生するともいわれています。
現在、日本における肝がんの多くはC型肝炎から発生すると考えられていますが、それでも全肝がんの15%はB型肝炎が原因になっているとされ、油断はできない状況です。
B型肝炎ウィルスはありふれたウィルスであり、生きている限り感染のリスクはゼロにはなりません。
大切な赤ちゃんの健康を守るためにも、ぜひともB型肝炎ウィルスの予防接種を受けていただければと思います。
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