泣かせるネントレ・泣かせないネントレ、実際どうなの？

欧米の子育てでは、一般的に子供は新生児のうちから親とは違う部屋で寝かせられます。親の部屋にベビーモニターをつけていて、夜間の授乳も赤ちゃんが泣いたのをモニターで確認してするそうです。※諸説あり

赤ちゃんの部屋に行って授乳したら、添い寝することなく親はまた自分の部屋に戻って寝ます。しかし、日本ではほとんどのお母さんが赤ちゃんの小さいうちは一緒に同じ部屋で寝ます。

特に赤ちゃんが新生児ならばなおさらのことです。昔は家族で川の字で寝るということが一般的でしたが、時代とともにまた育児方針が変わってきたのでしょうか？

そもそもネントレとは？

ネントレとはネンネトレーニングの略で、赤ちゃんがひとりで寝られるようにするトレーニングのことです。方法は「泣かせるネントレ」「泣かせないネントレ」の二つがあるようです。
日本ではまだネントレに関しては歴史が浅く、子育て中のお母さんたちからは賛否両論であるのが実際のところです。

ネントレをする理由

赤ちゃんを寝かせるときにする添い乳などが主な理由で、毎日赤ちゃんを添い乳で寝かせることによってそれが癖になり、おっぱいを吸わないと赤ちゃんが眠れないようになります。

人間、誰もが睡眠中に数回は眠りが浅くなります。一度くらい目がさめても、大人ならもう一度自分で眠りにつくことができますが、赤ちゃんはそうもいきません。

なので、そのたびに赤ちゃんの夜泣きというものが発生するのです。毎晩赤ちゃんを抱っこや添い乳で寝かせているとそれが赤ちゃんの習慣や癖になりつつあります。そうすると抱っこユラユラやおっぱいを吸わないと眠らなくなる赤ちゃんも。

生後１ヶ月から半年ほどまでの赤ちゃんは特に眠りが浅く、短いサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。なので、睡眠のリズムが上手く作れず赤ちゃんの夜泣きというものが発生するのではないかといわれています。

お母さんの睡眠不足の改善や、赤ちゃんに朝までぐっすり質のいい睡眠をとってもらいたいという理由などから、欧州やアメリカのようにネンネトレーニングを開始するお母さんが少しづつ増えてきているようです。

欧米のように早い時期からネンネトレーニングすることも可能なようですが、一般的に日本では、6か月以上の赤ちゃんから適応するといわれています。
逆にあまり大きくなってきてからだと抱っこやおっぱいに対しての執着ができてしまうため、なかなか難しく時間がかかるようです。

泣かせるネントレ

赤ちゃんを布団やベッドに寝かせたら、その部屋には赤ちゃんだけを残しお母さんはその部屋から退室します。赤ちゃんが泣いたりぐずっても、数分間は絶対にその部屋には入りません。

そして決まった時間がきたら様子を見に行き、トントンして安心させてあげます。見捨てているわけではないと確認させてあげるためです。あまりの泣き声に辛くなってしまうお母さんも多いでしょう。

しかし、決められた時間は守るようにしなければ意味がありません。時間の目安としては、最初は3分、5分後、10分後、15分後……と徐々に赤ちゃんの部屋をのぞきに行く時間間隔をのばしていきます。

赤ちゃんに接するときも、抱っこや添い寝はせず1分以内に再び退室しましょう。

泣かせっぱなしは弊害あり？

暗い部屋にひとり取り残された赤ちゃんは、たいそう泣くことでしょう。住宅環境によっては、泣かせ続けることが困難なご家庭もあるかもしれませんね。
「何回か様子を見にいくといっても、泣かせっぱなしだとやっぱり赤ちゃんとの信頼関係が壊れてしまいそうで怖い」「このことがきっかけでサイレントベビーになってしまったらどうしよう」
などと考えるお母さんもいらっしゃるかもしれません。

心配になるかもしれませんが、サイレントベビーとははっきりとしたことが未だわかっていない部分も多く、医学的な根拠はないといわれています。
またネントレは、ネグレストといった赤ちゃんをほったらかしにする育児放棄のような極端なことをするわけではありません。
普段の生活の中では、赤ちゃんが起きているときは抱っこしてあげたり、話しかけてあげる、遊んであげるなど愛情をかけてお世話してあげることは大切です。

ですので、お母さん自身がネントレに疑問や不安を抱いたまま開始すると、途中で迷いが生じます。
ネントレを理解し、強い意志を持たなければ赤ちゃんの泣きに根負けしたりと中途半端な結果になり、逆にかわいそうなことになりかねませんので要注意です。

泣かせないネントレ

寝るときの抱っこ寝や添い乳をやめて、ただの添い寝などで赤ちゃんが眠るように誘導します。オルゴールをかけてみたり、赤ちゃんの背名をトントンしてあげる、隣で寝たふりしてみたり。

とにかく、抱っこやおっぱいがないと眠れないという習慣や癖をやめてみます。しかし、実際本当に泣かないで済むのかどうかはその子によっても違い、わかりません。
特に最初の3日間は赤ちゃんも慣れないので泣き続けるといわれています。

抱っこやおっぱいを欲しがって、思った以上に長い時間泣き続けてしまう赤ちゃんもいるでしょう。ここはお母さんの判断にもよりますが、お母さんがネントレの知識を本で読んだり、情報を得て理解し、ネントレをしようときめたならば我慢のしどころです。

いつもの習慣がなくなって赤ちゃんが泣いているといった場合はお母さんと赤ちゃんとの我慢くらべになりますが、具合が悪そうだ、いつもの泣き方とどうも違うと感じたら放置せずみてあげてくださいね。

おわりに

毎日子育てお疲れ様です。

ネントレは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても少し過酷かもしれませんが、成功すればまた何かが良い方向へ変わるかもしれませんね。
赤ちゃんの1日の習慣を少しずつ「昼間は起きて遊んだりお昼寝を少々、夜まとめてぐっすり眠る」というサイクルへと近づけるようにしてあげればベストです。

昼間は抱っこひもでおんぶするなどしてみて、夜はベッドで寝るという流れができてくればお母さんも少しは楽になってくるかもしれませんね。
お母さんが疲れ、イライラして赤ちゃんにあたってしまったり、悩んで精神的に思い詰めてしまうことは辛い状態であり、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても良くありません。
特にお母さんは赤ちゃんの状態や発育に対し敏感になるときです。

もし、ネントレに失敗しても思い詰めないようにしてくださいね。
そしてどうしてもネントレに不安や罪悪感を感じたり、ネントレすることがお母さんにとってストレスになる場合は無理にしないようにしてください。

少しでも眠れるときがあれば、赤ちゃんと一緒に眠る、また気分転換するなどしてください。
もしかしたら他に何か解決策があるかもしれませんし、チャレンジするかしないかは、お母さんの考え方ひとつです。